2025年11月のまとめです。感想はネタバレを含んでいます。
本
- 『統合失調症の一族 遺伝か環境か』ロバート・コルカー
めちゃくちゃ面白かった…!戦後アメリカの、父・母・12人きょうだい(息子10人の末に娘2人)という構成の家族のうち、6人もの息子が統合失調症になった一族のノンフィクションルポ。細かい章立てで、家族の内側で起こったことと、同時期の統合失調症にまつわる研究の状況を織り交ぜて語られている構成がうまくて読みやすかった。あくまでなんの問題もないとばかりに振る舞おうとする一家の母の態度にずっと苦しめられてきた娘が、兄からの性的虐待について打ち明けた際に母自身も同じ体験を持っていたことを語りだしたときに初めて「母にかつてないほどの近しさを感じた」と同時に「自分自身(娘)の不幸が、別の人(母)の不幸によって取って代わられたように感じた」と言っていたのが、あまりにも想像に難くない葛藤で、印象的だった。いったいどうやってこの本は幕を下ろすんだと思ってたけど、終わり方もとても良かった。今年読んだ中でいちばん人に勧めたい面白さだった。少しネタバレになるけど訳者あとがき全文が無料公開されています。
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『A Bird on Tiptoe』石田真澄(カメラマン)
読書とはちょっと違うけど書籍なので記録。佐藤勝利くんの1st写真集。この世の写真集の中でいちばん良い。写真家の石田真澄さんが捉える光と勝利くんの纏う少年っぽさが合わさって、とんでもないきらめきを放っている。300頁以上の分厚さのある写真集の中には撮影場所の風景やロケ先で食べたものや異国の地の人々の後ろ姿など、勝利くんの姿はおろか影さえ映っていないような写真もあるのだけど、それがいい。勝利くんが見たであろう景色を、わたしも見る。勝利くんの目にも世界がこんな柔らかな光に包まれていたらいいなと思う。公式グッズも(凡庸な表現しかできなくて悔しいことこの上ないが)おしゃれで部屋に飾ってもオタク!って感じにならないのが個人的にはうれしい。ひとつ残念というか惜しいなと思ったのは、販路がかなり限定されていること。ブランディングといえばそうかもしれないけど、単純にもっと多くの人の目に触れる機会があったらいいのにな~と思った。
映画・ドラマ・アニメ
- 『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』MTJJ
序盤のシャオヘイの修行の日々の映像だけで心がふにゃふにゃになって満足だった。ムゲン様の庇護者ムーブがたまらんし、しゃおへいはモチモチすぎる。かわいい。前回より話がやや複雑、ってほどでもないけど2か所での出来事を同時並行で描くので(描いてたよね…?)若干脳の処理に負担が多かったのと、自分の集中力不足で途中画面を見ながら他ごとを考えてしまったので話があんまり理解できてないけど、キャラクターが魅力的なのでそれでもおもしろかった。アクションシーンはやはり白眉。空間把握能力どうなってんだ。説明の少ない脚本と演出に、観客への信頼を感じてうれしかったです。妖精と人間が戦争になったら「正しい方につく」と言える無垢なシャオヘイと、「妖精につくよ」と言った無垢でいられなかったルーイエの対比に泣いちゃったけど、「たまには会いに来てね」に少しの変化を見て取れて、切ないばかりではなくルーイエはこの人生を歩いていくんだよな~とも思えた。字幕で観たのだけどルーイエって悠木碧っぽいな~と思ってたらエンドロールで早速答え合わせできた。時間を見つけて吹替も見たいな。 - 『ペントハウス シーズン3』キム・スノク
シリーズ完結!ありえんくらい物を壊したり叫んだりする大人がいっぱい出てきてオモロいという話を9月の月報に書いたけど、最終シーズンであるシーズン3も失速することなくおもしろかった。オモロwwガハハwwwというテンションで観ていた割に最後の方はキャラクターの感情に触れたりして思わず心を掴まれて、見終わってからロスに……。やるならここまでやってほしいという気持ちにさせるドラマだった(?)。韓ドラって1話も長いし話数も多いから今まで避けていたけど、おもしろかったら完走できるということが分かったのでこれからいろいろつまみ食いしていきたい。 - 『君の顔では泣けない』坂下雄一郎
主演の髙橋海人さんが最近気になっているというのと、入れ替わりものの中でも15年間入れ替わったままという設定の珍しさと、入れ替わった本人たちの間に恋愛感情がなさそうというのが気になって鑑賞。原作未読。予告編からわりと情緒を煽る演出なのかな?と思ってあんまり好きじゃない可能性もあるなと構えていたんだけど、想像よりずっと淡々としたトーンで進んでいって、とても好きだった。というのも、入れ替わりものの旨味でもある、入れ替わった瞬間のすったもんだとか元に戻るための試行錯誤はほとんど描かれないからだ。入れ替わって15年経った30歳の2人が元に戻れるかもしれない可能性が出たとき、どんな選択をするか?というのを過去を振り返りながら語るという形式なので、過去の記憶の中のふたりはもちろん時に感情を激しく出すこともあるのだけど、それを見つめる語りがあくまで冷静なのだ。元々のセクシュアリティやジェンダーアイデンティティと、心身の組み合わせが違うものになったとき、それらがどう働くのか?とかの設定の曖昧さはあるけれど、その曖昧さもぜんぶ引き受けて作っている感じがしてとても好感が持てた。場面の切り貼りとかはもっとうまくできたところもあったかなと思うけど、とても良い映画だったと思う。何より、芳根京子さんと髙橋海人さんの演技が本当に素晴らしかった。淡々としているぶんわかりやすい見せ場みたいなものがないのに、(まなみの形をした)陸と、(陸の形をした)まなみを演じきったのが本当にすごい。一見入れ替わり後の人生も持ち前の朗らかさで楽しんでいるように見えた(陸の形をした)まなみ(=髙橋海人さん)が終盤で見せる心の空洞によって、それまで見せられた記憶の中の朗らかというか軽やかな振る舞いが突然刹那的なものとして脳裏に蘇ってきて、本当に凄まじかった。あと何気に、青年期の(まなみの形をした)陸(=西川愛莉さん)と(陸の形をした)まなみ(=武市尚士さん)がきちんと大人になった二人に顔が似ていたのが良かった。お芝居も良かったです。そもそも上映館数がそんなに多くないうえあんまり話題にもなっていなくてもったいない気がしたので長めに感想を書きました。 - 『ブルーボーイ事件』飯田花笑
こういう作品が話題になってくれて本当にうれしい。作品の母数やこれまで当事者がエンタメの中でどう扱われてきたかを考えると、当事者キャスティングってやっぱり大事だなって思った。ここで素晴らしい演技を見せたキャストの皆さんがバカみたいな映画でバカみたいな役をやる世界に早くなってほしいと思う。昨今のトランスジェンダーへのバックラッシュは目に余るけど、見終えてから当時の判決文→最新の治療ガイドラインの順に目を通したら世界は少しずつ良くなっているのかもと思った。非当事者の呑気な見方ではあると思うけど。
舞台・ライブ
- 『アンジュルム ライブツアー 2025秋 ~Keep Your Smile!~』アンジュルム
アンジュルムの秋ツアー!アンジュのライブハウス公演を見るのは初めてだったけどセトリにロック系の曲が多かったり、これまで聞いた曲でも聞こえ方が全然違ってたのしかった。キャパが小さすぎてチケット全然当たらん問題はあるけどライブハウス公演病みつきになりそう。またやってほしい!次々続々がかみこの曲だったように、限りあるMomentはれらの曲だなと改めて思った。れら、ずっとずっとすごかったけどまたさらに成長していて、わたしが見てきたアンジュルムを体現していて感動してしまった。かみこの言う通り、これからのアンジュルムも絶対大丈夫だな~と頼もしく思った。福岡まで見に行ってよかった!あまりに楽しかったのでチケットの申し込みに迷ってたCOUNT DOWN JAPAN、やっぱり行きたいかも~~~!!! - 『グラタングミ 初単独公演 コントライブ2025』グラタングミ
timeleszの佐藤勝利くん、ダウ90000の蓮見さん、演出家の橋本和明によるコントユニットの初単独公演。ゲストで男性ブランコのお二人も出演されていた。前回の、まだグラタングミというユニット名ができる前の単発の公演で披露していたネタと新作が半々くらい。好きだった富豪のネタが見れてうれしかった。蓮見さんの書くネタって勝利くんとの実際の会話から着想を得ているのかな~という気がするんだけど、今回の「変になりたい」のネタはそれが顕著だったなと思う。良くも悪くもすべての言動が「かわいい」と評されてしまう勝利くんの素材が生きていたし、実際にああいう葛藤はあったんだろうなと思う。ちょうちょの格好をしたいって話じゃなくてね。笑 蓮見さんの書くコントが本当に好きだな~。そしてどうでも良いけどわたしは男ブラの浦井さんの顔が好きです。 - バレーボール観戦 ウルフドッグス名古屋 vs 東京グレートベアーズ
人生初の生のスポーツ観戦!ライブとカウントしてここに記録する。笑
ここ2~3年でバレー観戦にはまりほぼバレーの話しかしなくなったフォロワーさんにお誘いいただいた。ハイキューを結構一生懸命読んでいたのでルールもある程度わかったし、副音声みたいにいろいろ隣で教えてくれたのでめっちゃ楽しめた。グレートベアーズに元日本代表の主将をつとめた柳田将洋さんがいたのだけど、素人のわたしから見てもサーブ打つ時のフォームが人一倍きれいな弓形になっていて、見とれちゃった。興奮してたのしくて、次の試合を検索している自分がいる…!具体的に推している選手やチームがあるわけじゃないからとりあえず首都圏でと考えるて、日程的に次行けそうなのは2月かなあ。 - 『第7回演劇公演『ロマンス』』ダウ90000
めっちゃくちゃ面白かった!序盤で何となくやることの方向性の輪郭は見えるのに「ん…?これはどういうことだ……?」と引っかかっていた部分が、中盤で構成が明らかになるところ、たぶん観客全員が同じタイミング同じ速度でじわじわ気づくような作りになっているのすごすぎた。それ以降加速度的に面白くなるんだけど、序盤の本来ならもやもやする時間も、頭の片隅に疑問を残しつつ目の前の台詞ではつい笑って夢中になっちゃう面白さを両立してて、蓮見さんすごすぎるよ……!最後までだれる瞬間がなかった!終盤の坂谷の棋士への評価でめちゃくちゃ笑った。園田さんはしゃべるだけでおもしろいので天才でずるい。
本公演は現在配信チケットが販売中なので、ぜひ見てほしい……!4000円でもう配信開始しているので買えばすぐ見れるし、配信期間が12/31までと長めなのもありがたい。わたしも買ってもう一回見ようかな……来年のコントライブも次の演劇公演もチケット当ててぜひ行きたいな~~!
グラタングミもロマンスも当たると思ってなかったのにどっちも当たって、図らずも蓮見さんウィークになった。 - 『Juice=Juice Concert 2025 Queen of Hearts Special Flush』Juice=Juice
盛れミ熱が高まり3年ぶりにJuiceの現場へ。Juiceはメンバーの顔と名前は一致しているけどライブは一度しか行ったことがなくて特にこの人が好き!とかもなかった。でもライブがはじまって気づけば工藤由愛さんばかり目で追っている自分に気が付いた。バッサリ切った髪につけた小さい真っ赤なリボンたちがとても似合っていてかわいくて、でもパフォーマンスはめちゃくちゃかっこよくて……!そして当たり前に歌がうまい。それは全員そう。ていうかゆめりあいって本当にいいですね、わたしはこのような二人組を見ると興奮してしまいます。そしてセトリ!終盤にかけてプラトニック・プラネット→あばれてっか?! ハヴアグッタイ→明日やろうはバカやろう→CHOICE & CHANCE→Fiesta! Fiesta!と怒涛の盛り上がり曲詰め込みで、これで終わりかと思ったらFiesta終わりに間髪入れずに2度目の盛れミが始まった。盛れミの最初の太鼓の音みたいなのが鳴ったとき会場がぶっ壊れるんじゃないかというほど沸いていてほんと最高だった……盛れ!盛れ!盛れ盛れ盛れ! - 『舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯』末満健一
加州清光のオタクの友人のガイド付きで自宅で鑑賞会。刀ステの知識は昨年映像で観た禺伝(こちらは源氏物語を下敷きにしている)のみで、どちらかというと今回見た心伝のほうが本流らしい。刀が持ち主と対峙するという刀剣乱舞のお決まりの構造を知り、なるほど約束された関係性でそら人気出るわと理解した。メインとなる加州清光の体幹を感じる立ち振る舞いと、清光の持ち主だった沖田総司の殺陣のレベルが高くて見応えがあった。しかし改めて新選組のことを考えるとマッチョ組織すぎてそりゃ瓦解するよなという感じだった。来年は禺伝を再演するらしいので見に行けたらいいな。
見終わってから調べたら演出家の末光さんはハロー!プロジェクトとも少なからぬ関りがあるっぽくて、どうりで馴染むわけだ~と納得した。 - 『アンジュルム ライブツアー 2025秋 ~Keep Your Smile!~ final』アンジュルム
1. で書いたアンジュルムライブハウスツアーの千秋楽を日本武道館で。ツアーとセトリがだいぶ変わっててびっくりした!スマイレージ曲が多くなっていたけど、今のアンジュルムってアンジュルム改名後の時代の中でいちばん4スマの曲が似合うメンバーだと思うから、大正解!かと思いきや後半怒涛のかっこいいセトリで。個人的につらかった時期に鼓舞されて思い入れのある「ぶっ壊したい」を久しぶりに歌ってくれたのがうれしかった。最後のMCでれらぴが「3年前のMCでは自分の力でここに立っている気がしない(=これまでの先輩方の力で立っている)」と言っていたけど、この日のれらぴは当時の自分の言葉を引用しつつ「今日は自分の力で立てていると思ったし、過去の自分だってずっとそうだったと言ってあげたい」と言っていたのがとても印象的だった。なんて美しい物語なんだよ。3年前を見ていたからなおさら。きみたちはずっとずっとかっこよくて素敵でそのどれもが自分たちでつかみ取ってきたステージだよ。これからのアンジュルムもずっと見ていたい。
雑記
アンジュルムライブのついでに福岡でおいしいものいっぱい食べた。いつもの友人I氏と(毎度のことだが)声がかれるほどしゃべってたのしかった!!!天神を歩いてたら信じられん行列ができてる店があって「何あれ?」「マーラータンらしい」「マーラータンって何?」「知らんけど流行ってるらしい?」「何で知ってるの」「希空ちゃん(辻ちゃんの長女)が食べてるから流行ってんのかなって…」「でマーラータンって何」「それは知らん、スープ?ラーメン?」「へ~」という二人とも正解が分かってないし正解を必要としてなさすぎる会話をした。
友人たちとピクニックしたあと話が止まらずコメダで気づけば23時になったという1日があった。ここまでの白熱は久しぶりだったのでめちゃくちゃたのしかった。
前述しましたがJuice=Juiceの盛れ!ミ・アモーレに完全にはまっている。こちら↓は前述したライブでの2度目のパフォーマンス映像なのですが、日々の練習による技術とそれに裏打ちされた自信と曲で加速したパッションとパワー、そしてなにより本人たちの楽しさを抑えきれないでありつつすこし挑発的でもある表情が最高で、全員全パート素晴らしい。ハロー!プロジェクトのアイドルを好きになって気がついたけどわたしは声のデカい(←比喩ではない)女性アイドルが大好き。
お茶会に行くため朝5時起きで2時間かけて着物を着て出かけた。そもそも上手に着付けできないうえに、自分で着物を着るのは2年ぶりだったので正直かなり憂鬱だったんだけど、なんとかなったし思ったよりうまく着れたしで、がんばってよかった。着付けはとにかく回数を重ねることがものを言うので、今後はお茶のお稽古の日とかがんばって着ていく日をつくったりしようかなぁ。
グラタングミのためにはじめて弘前へ。平日だったから休みが1日しか取れなくて旅行っぽいことはあまりできなかったけど、久しぶりの友人と新幹線やホテルでたくさんしゃべったりお散歩したり会場近くの素敵な喫茶店に行ったりして楽しめた。
11/16はSexy Zoneのデビュー日だった。ずっと好きで笑っちゃうね。
ダウ90000終わりに姉とコーヒー片手に2駅分歩いてしゃべってたのしかった。わたしというわがままで厄介な人間の姉であるという事実を全然嫌がらずに受け入れて仲良くしてくれてるのありがたいな。自分に自分みたいな妹がいたら嫌すぎるもん。
パーソナルジムに通い始めることに。体組成計に乗ったら体脂肪率34%でひっくり返っちゃった。34って多い…よね……?とりあえず3カ月がんばるぞ……!
近所に良い感じの南インドカレー屋さんを発見してうれしい。たくさん通いたい。
月末に体調大崩し。めまいがひどくて起き上がれなかった。急に冷えたからか?青学でやっていたやまとフェミニズム解体の講演会に行けなくてショック。
timelesz篠塚くんへのアンチが見ていられない。アンチの言い分って本当にしょうもないけれど、篠塚くん本人は追い詰められているかもしれず、しょうもないって思えないだろうなと思う。一方で、「事務所愛」なのをうまく見せられた人は一瞬で手のひらを返すように受け入れられたりして、むちゃくちゃだ。わたしはとことん事務所の文脈というものに興味がないし、それ自体を卑下するつもりはないけれど、誹謗中傷してまでして守らなければならない文脈ってなんですか?というか彼はもう事務所の文脈の内側にいる人だと思うのだけど。最近timeleszから離れ気味だけど、大事な人たちだから健やかに過ごしてほしいと思う。
今月の褒め・反省
- 予定を詰め込み過ぎた
- 引き続き赤字
- 本を読んだ
- ストレッチサボり気味
- 自分で着物を着た
- パーソナルジムに入会
- 人に執着してしまった
- 月報の文字数たくさんかけた
来月の目標
- 2025ベストバイの記事を書く
- 2025年の欲望リストのレビューをする
- 2026年の欲望リストを作成する
- 他者をコントロールしようとしない
- 年末年始食べ過ぎない